アイ(愛)はカツカツ

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『あいつとの対話……終わった?』 シドはどこまでも辛辣だ。いや彼の立場を考慮すれば、仕方ないことかもしれない。 コンチクショウとは思うけど。 「ああ……べノーラの倒し方も分かった」 『えぇ、そうなの?! あいつ……攻撃力は大してないけど、あいつ自身が受けるはずだったダメージをそのまま反射(リフレクト)してくるから。 だから俺もやられちゃったし、後でナズナに聞いたんだけど、兄ちゃんだってそれでめちゃくちゃ苦戦したって……!』 ナズナ……? とは思ったけど、おそらくはシンフォレスの『配下の者』の名前なのだろうと察した。 しかし、ミノちゃんはシドに断言する。 「大丈夫。 ……お前はちょっと、辛いかもだけど」 『? なに……』 ミノちゃんはシドの隣に立ち、シドの体の向きをミノちゃんのほうに向けさせた。 つまり、二人が向かい合っている姿が、大魔王からめちゃくちゃよく見えるのである……オーイエス、分かってらっしゃるミノちゃん……! 「長い間。 ……苦労、かけたな。ごめん、そしてありがとう。 さすが、俺の自慢の弟だ……」 『え、や、兄ちゃん、今はちょちょちょっとそれどころじゃ……』 なんだか熱っぽいミノちゃんの視線に、顔を真っ赤にさせながらも現状を把握しているシド。 「言ったろ。 俺とお前で終わらせるって」 『えぇえ、あ、ぅええぇ?!』 ミノちゃん、左手でシドの体を抱き寄せ、右手で彼の顎をクイと掴む。 訳が分からないシドは、握っていた剣を落としてしまった。 「バカ……息はちゃんとしてろ」 『んんん~~……っ』 シドのほうが目をグッと瞑ってしまい、硬直してしまった。 それでもミノちゃんは妖艶に笑って、シドの耳元で何かを囁いた。 それに激しく反応して、シドが顔をあげる。 な、なんばしよっとかミノちゃん……? その隙にミノちゃんは、流れるように可憐な仕草で、見事にシドの唇を奪う。
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