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『やっ……た、の……?』
「当たり前だろ。 俺に二言はないの!」
シドは極度の緊張が解けたかのように、その場にへたりこんだ。ミノちゃんもしゃがんで、シドの頭をクシャクシャと掻き回した。
『もう……っ、兄ちゃんの馬鹿……! あんなの、いきなり……!』
「だからごめんって。 お前には辛いかもって言っただろ。 でも、他に方法がなかったんだ……それに」
ミノちゃんのスペシャル一級品の笑顔がシドに直撃、炸裂する。
「言ったことには嘘偽りはないぞ、断じて」
『……』
シドは黙り込むしか出来なかったらしい。いや……最大級の賛辞やないかい……私のほうが胸熱だわ……。
さらにミノちゃんは楽しそうに続けるのだった。
「お前としては俺よりナズナとしたかっただろうけどさ。 なあ?」
『ちっ……違うって、ななナズナとはそんな、そ、そんなんじゃ……!』
あー……シドってば、好きな娘がいた訳な。 ああ、だから死んでなおシンフォレスの城に戻ってその彼女に会ったのか……んん? 彼女は死んだシドが見えていた……というのなら。 案外脈ナシという訳でもないのかな。
『う~~っ……』
「はいはい、ごめんごめん。 ほら、剣士たる者は簡単に涙を見せるべからず、なんだろ? 笑って笑って!」
くは……っ、じゃれあっとる、めっさじゃれあっとるがな、見てる側がしんどすぎる……!
皆様に謝罪いたします、私、先程ミノちゃんがマモちゃんの際に『マモ兄ちゃん、受けなのか』と呟きましたが、あれは全面的に撤回いたします。 奴は優男に見えてかなりのやり手さんでした……!
……あれ? 私……本体であったはずのべノたん、召されたのではなかったか? おやや? じゃあ、今の私って、一体どこからこの二人を見てるの?
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