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アイ(遇い)は糅つ
それから、気がつけばマモちゃんのアパートに戻っていた。 今この部屋にいるのは、霊体であるシド、この世に再臨したミノちゃん、そして……。
「えぇえ! まさか、そんなぁ……!」
「あ~……まあ、そうなるねえ」
『うわぁ……ドン引きだよ。 いいの? 兄ちゃん……』
そう、私が今まで身体としていたものは、ミノちゃんの身体をべノーラの力により女体化したものだった。 肉体がなくなった私、肉体から飛び出したマモちゃん……つまり、マモちゃんの身体がちょうどもぬけの殻になっていた。
べノーラが消え去った今、元の世界に場面が切り替わると。 私はマモちゃん……大森 護の身体に入っていたのだ。
『絶対この女、(うわぁ男の体だ! 後であそこはどんなふうになってるんだかたしかめなくちゃ、うひゃー!)とか考えてるよ』
シドってばエスパーか。 全肯定するしかないわ。 シドはミノちゃんの服の裾を掴んでクイクイと引き、上目遣いでミノちゃんに尋ねる。
『兄ちゃん……あの時に言ったことって、ホントなの……?』
ホワッツ……? ハテナマークを飛ばしていると、ミノちゃんは笑って答える。
「言ったろ、俺に二言はないって。 ララに『あの時ってどの時~?』って、つっこまれるぞ」
くっそぅエスパーブラザーズめ、ぐうの音も出んわ……ぶほっ。
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