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「ララにも説明するね。 おそらくだけど、シドは。 べノーラを倒すことは勿論だろうけど、……俺にもう一度逢うこと、それを強く願って霊体になったんだろうって。 そう思った。
だとしたら……願いが成就したら、下手したら強制的に霊体が召されるというか……分かりやすくいえば、消滅してしまう可能性があった」
シドは俯いた。 唇を突き出すようにして黙り込むのは、どうもシドが言葉に詰まった時の癖らしい。
「シドは、多分分かってたんだと思う。 あの時に過剰反応したからな。 だから、俺も遠慮なく躊躇なくやった訳だし」
むむぅ……察するにあの時とは、ミノちゃんがシドになにやら囁いた、あれを指すらしい。
「『俺と、ずっと一緒にいるためのおまじないだから』ってな。 あの最中に俺の魔法力をシドに直接注入した。 だから今は、シドの内側から防護壁みたいなのが張られてる。 即消滅するにはいたらなかったんだ」
なるほど、それでかなりの時間がかかっていたのか。 下手すりゃ三十秒くらいはひっついていたかと思われまする……。
『……別に……口からでなくても、よくない……?』
「だから。 魔法力注入だけの意味じゃなくて、べノーラがそれをご所望だったんだってば。 あと、ララも期待してたみたいだったしな」
いや……いやいや、よく考えたら、新たなる事実の発覚やないですか? 魔法力を口移しって、注入って……なんか、なんだか……私の妄想力が掻き立てられるといいますか……なんとも言えないエロスを感じてしまう……!
なんだよーミノちゃんってば、もうもう、一つの行為で二度美味しいだなんて、さすが偉大なる魔法王、バリバリのやり手さん、にんともかんともでござる……ニンニン!
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