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「……で、だ。 目下のところ、どうしていくか……だよな」
そうだ。私は、大森 護になってしまった。 マモちゃんは、ミノちゃんと合併してしまった。 ミノちゃんは、元の世界ではなくこの世にて復活を果たしてしまった。 シドは……人様には見えないのだから、頭数に入れてやらない。 アイツ私に冷たいしな。 ぷーんだ。
「えぇと、二人はシンフォレスに帰るつもりなんじゃ?」
自分の問いに、シドが膨れっ面のまま答える。
『俺ら、シンフォレスではもう死んでるんだってば。 シンフォレスに戻るってなら、事実を捻じ曲げなくちゃいけない……』
「そう。 凄いな、分かってるじゃないか、シド」
『……シンフォレスを発つ時に。 ナズナに聞いたんだ……もう戻れないって。無理にでも戻るってぇなら……』
「『事実改変』の……呪術が必要になってくる。 『反魂』の呪術ってのもあるけど、あれだと行使された本人が生き返るだけだろ。
『事実改変』なら……」
あれ? 魔法じゃなくて呪術? ミノちゃんは魔法王じゃなかったか……つまり彼の専門外のことになるのでは……?
『兄ちゃん……もしかして、もしかすること考えてる?』
「……ははっ。 さーすが俺の弟は本当にもう、察しが抜群だな。 ナズナに感謝しとかなきゃ、お前に呪術の知識なんてないはずなのに。 教えといてくれたんだ?」
『事実改変』……事実を捻じ曲げる、湾曲するってんだから相当に大変なことのはず。 なのになんだろう、ミノちゃんのこの余裕……というか、薄ら笑いというか……?
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