アイ(遇い)は糅つ

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「この呪術ってのは、俺たちが気軽に使ってる魔法とは違って。 異界の神と契約して、悲願を成し遂げるための儀式なんだ。 当然、生贄だとか供物とかが必要になってくる」 イケニエ……クモツ……おぉ、実際に生きていてそんなワードを聞く日が来るとは。 「シンフォレスに、大魔王べノーラなんて現れなかった。 シドも俺も死ななかった。 それだけのことを叶えるには、それなりの捧げ物が必要ってこと。 それを行うことにより、俺たちだけでなく、俺たちの周り、ひいて世界の未来が変わってくるんだ。 対価は大きい……」 おぉう……ファンタジーの世界も大変やがな……。 しかし、現実世界も大変なのだ。 それをこの森の魔法王は理解しているのだろうか。 「そうなると、ララの協力が絶対不可欠になる。 なんたって大魔王の化身なんだ、対価として十二分すぎるだろ」 協力? ……え、もしや……私を異界の神への捧げ物として献上タテマツルとか? え、さっきからの薄ら笑いの正体ってのは、まさかそういうこと……?! 「いや、いやいやいや! ないでしょ?! ホワイ?! 私はあくまでもけなげで可哀想な潔白乙女で……!」 酷い、というか非道い。 マイラバーマモちゃんのパワーアップバージョンとして、淡い想いなんぞを抱いていた私が馬鹿だった。 マモちゃんも私も、この兄弟にいいようにされて消されるなんて……実はこの兄弟こそが私たちにとっての悪の大魔王?!
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