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シンにとってはとっくに終わった恋だろうし、今は私に夢中になってくれている。
だけど、私が男爵令嬢だからという理由で過去の人には普通にしていたことを控えられている事実は面白くない。
しかも、あろうことかシンは女性経験が豊富だった。
過去に付き合って来た平民階級の女どもがどんな価値観でシンを選んでいたのか知らないけど、思春期にもなるとシンは多くの女性から取り合いにされるほどの人気があって女性には困っていなかった……とか。
そんなことをとあるルートにより仕入れてしまった私は、過去に嫉妬心を燃やしていたりするわけだ。
とあるルートについては聞かないで欲しい。今はもう、大人の手段を使ってこんなことを調べてしまった自分を責めて深く反省している。
話を元に戻すと、つまり私がお風呂に誘って断られてしまったのは、恐らく私が平民階級ではないから彼には責任が取れないという意識の表れであって、彼自身は本来女性とこういうところに来たらきっと普通にそういうことをする人なわけだ。
と思ってしまうと、改めて本当にムカついて来る。
ただ、私自身が別にそこにこだわっているわけではないのだけれど。
彼を私よりも知っている女が、この世に何人もいるのだという事実が本当に許せない。私って、嫉妬深いのだろうか。
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