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「帰ってくるんやったら、帰ってくる!ってもっと前もって言ってくれへんか?」 「……ごめん。」 「ふふ。おかえり。」 「ただいま!」 何だかんだ文句を言われながらも、当たり前のように受け入れてくれる母親。 たくさん言い合いもしたし、上京したのだってほぼ私の我儘だった。 ……家族って、本当にありがたいんだな。 懐かしい雰囲気に、ホッと安堵の息をつくと、荷物を置いた。 「お父さんと、優太は?」 優太。 私の4つ下の弟。 「お父さんは今日まで仕事や。優太は友達のとこ行ってるわ。二葉帰ってきてるの知ったら、喜んで帰ってくるんちゃうか?お姉ちゃんっ子やからなぁ。」 「そっか。」 「あんたの部屋、そのままやから、そっちで寝ーな。」 「ありがとう。」 そして、当たり前のようにある私の居場所。 多分、今失恋していなかったら気付けていない、当たり前の有り難さ。 .
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