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「あー!ない!」 突然、台所から母親の叫び声が聞こえてくる。 「どうしたの?」 「晩御飯、鍋にしようって思っとったんに、豆腐買ってくんの忘れとったわー。」 「豆腐ぐらい無くてもいいんじゃない?」 「アカンアカン。鍋に豆腐は必需品や!二葉、買ってきてくれんー?」 帰ってきて早々、パシリに使われる私とは一体。 内心そう思いながらも、することも特にない私は、近くのスーパーへ行くためにコートを羽織る。 「豆腐だけでいいの?」 「うん。後、なんか欲しいもんあったら適当に。ごめんやでー。」 「はーい。」 外へ出ると、まだ17時前だというのに既に薄暗い。 風も少し強めで、身震いしながら、徒歩で行ける近くのスーパーへと足を進めた。 .
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