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**** 「ーーば!二葉ー?」 「え?あ、ごめん。何?」 「さっきからボーッとして、どうしたん?」 「何でもないよ。……んー!美味しい!」 久しぶりに家族で鍋を囲む。 母親が作る鍋は本当に美味しい。 「お父さん、ビール飲む?」 「ああ。ありがとう。」 仕事から帰ってきた父親も、以前と何ら変わらない。 あまり喋らない父親だけど、すごく優しくて、頼りになることは子供の時からよく知っている。 「二葉帰ってきたよって優太に連絡したら、友達と晩ご飯食べたら帰ってくる言うとったよー。」 「そっか。優太も元気してるの?」 「相変わずやで。」 その時だ。 ガチャガチャと玄関が開く音が聞こえてくる。 「噂をすれば……」 「ただいまー。」 「早かったなー。」 噂をしていたら優太が帰ってきた。 最後にあったのは成人の時だから、きっとまた大人びているのだろうな。 「おかえりー。優太ー。久しぶり!」 リビングに入ってきた優太を笑顔で出迎える。 「姉ちゃん!久しぶりー!」 4年ぶりに揃った家族。 やっぱり落ち着くなー。って。 帰ってきて良かったと思った。 .
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