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「別れた、だー?また急になんでよ。ちょっと前までラブラブだったじゃない。」
振られて1週間経った、休日。
振られた話を聞いてもらうため、親友の百合香とランチをしに来ていた。
「実は、前々から予感はしてたの。何だか違和感と素っ気なさ感じてたんだよね。で、我慢できなくなって、モヤモヤぶつけたら、そう言われた。」
「それで?あっさり別れを受け入れたと。」
「私だって!泣きつきたかったよ!縋って縋り付きたかった!!……けど、何か、まぁ仕方ないか。って、今までありがとう。ってあっさり受け入れた。」
「えらい!えらいぞ!二葉!」
そう言って、百合香は私の頭をわしゃわしゃ撫でた。
優しさに ぶわっと熱いものが込み上げてくる。
……泣くもんか。
別れる時すら泣けなかったんだから。
本当に本気で大好きな彼だった。
毎日、こんなにも私に愛情を注いでくれたのも彼だけだったから。
きっと、これ以上の人はいない。
そう思える彼氏だった。
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