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「……。」 「あ、あの……すみません。」 驚いて何も言えなかった私に、困った顔でもう一度言う。 昨日と全く同じ光景。 やがて、来てくれたという現実と、同じようなやり取りが妙に嬉しくて。 クスクスと笑ってしまった。 「本当に来てくれてありがとうございます。」 「約束、でしたから。……正直、悩みましたけど。」 「ありがとうございます。」 「で、あの。ここでは、その歌えないので……場所移してもらってもいいですか?」 「あ、そっか。そうですよね。」 こんな道中で歌えるはずもなく。 私は、ゆっくりと歩き始めた男性の後ろについて行く。 .
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