GOOD BYE

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GOOD BYE

『バイバイ、また明日』 そんな一言も忘れられないほどの思い出に変わる。 あの日、僕は君に何かしてあげられただろうか。 あの日、僕が身代わりになることはできなかったのだろうか。 君の家まで、送っていくって言えてたら、 君と会えないなんてことはなかったはずなのに。 "〇〇県△△市で、16歳の女子高生が殺害されました" テレビをつけると、いつもそんなニュースばっかりが流れてる。 後悔したって遅いのに、何ももう戻らないのに。 『ごめんね、守ってあげられなくて』 忘れた頃にやってくる批判の嵐と、 守れなかった自分に対しての嫌悪感に苛まれる毎日。 どうにかして、あの場所から遠回りしていれば、 きっと君を失うことはなかったんだよ。 『大好き』 きっとその言葉を伝えられないまま、 どんなに苦しい過去も君がいなきゃ、笑えない。 どれだけ時間が経っても、君がいたっていう証拠は消えない。 もう一度会えたのならば、君に今度はちゃんと伝えよう。 忘れないように、何百回も、何万回も。 君にこの想いが伝わるまで。 『速報です。◯◯県△△市の墓地で、1人の男性の遺体が発見されました_』 ふと思い返してみれば、ここ最近は物騒なニュースが多かった。 殺人、事故…色々あった1ヶ月だった。 クラスメイトも事故で亡くなり、後を追って自殺したり。 こんな世の中で、正直不安でしかない。 君がいればもっと変わったんだろうな。 今すぐにでも戻ってきて欲しいくらいだよ。 「忘れないから」 ずっと君のことを。 誰もが君を忘れてしまっても。 僕だけは、一生君を忘れないよ。 かけがえのない大切な人。
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