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『寛人さん…着きましたよ。鍵ください』
「ん…合鍵あんだろ…」
『ベッドまで運びますから、もう少し頑張って下さい』
「はいよ…」
ドサッ
ベッドに沈む身体が重い…
『寛人さん、水飲みますか?』
「うん…飲ませて憲二」
『持って来ます』
「なぁ…憲二。お前いつもどうしてるんだ?」
『何の話ですか?』
「溜まるもんだよ…ちゃんと抜いてるか?」
『……あなたには関係ない』
「男同士だろ?教えろよ」
『そうですね…ではぶっちゃけますが、ゲイバーであなたに似た人引っ掛けて抱いてもらってます』
「は…」
『文句ありますか?関係ないって言ったでしょう?』
「本人目の前にしてよくも…」
『だって俺が好きだと言ってもあなたは抱いてくれない…ならば似た人で我慢するしかないでしょう?俺の事は気にしないで下さい』
何だ、このモヤモヤは…
「憲二は俺が好きなんだろう?」
『はぁ、何が言いたいんですか?そうですよ、俺はあなたが好きです。だけどだんだん辛くなって来ました…もう限界かもしれません。俺、これでもモテるんです』
「憲二は、美人だもんな…そうか、さっさと幸せになれ」
『はっ…本気で言ってるんですか?』
「俺はお前の幸せを願ってる」
『わかりました。そこまで言われたら、俺ももう無理です。あなたを諦めます…』
「……」
『ちゃんと寝て下さいね。風邪引かないように、俺、帰ります』
「……」
バタン
これでひとり…
涙が頬を伝う…
順也…これでいいんだよな?お前の親友を俺が縛り付ける訳にはいかない。
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