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「はぁ…」 『憲二どうした?深いため息だな?』 「ん…マスター…前に話したでしょう?俺の好きな人の事」 『ああ、死んだ相手が忘れられない女々しい奴のことか?』 「マスター、言い方…間違ってないけど。その亡くなったの俺の親友だったんだ…順也っていうんだけどさ…まだ忘れられないみたいで…無理だから諦めろって言われた…」 『そうすればいいだろ?』 「できるならとっくにやってたよ…でも今回は流石に堪えた」 『慎の事は?』 「慎さんは…俺を愛してくれてる…」 『慎とは古い付き合いだが、マジなのはお前が初めてだ』 「そっか…俺も慎さんの事は好きだよ。でも寛人さんのとは違うんだ…」 『慎はいいやつだぞ?そんな女々しいヤツは忘れて慎にしとけ』 【女々しくて悪かったな】 「寛人さん?なぜここに…」 「美山に連れてきて貰った。憲二、来い」 「はっ…離して下さい、あなたの事はもう…」 「俺の事は…もう…好きじゃない…か?」 カランカラン 『おぉ、役者が揃ったな…』 「よ、マスター、憲二…お前誰だ?憲二から離れろ」 「慎さん…いいんです。話してるだけだから」 「ああ、あんたか。死んだ恋人が忘れられないんだろ?憲二は俺が幸せにするから引っ込んでろ」 「ふ…悪いが憲二は俺のだ。攫ってくよ」 「寛人さん…何言って…」 いつのまにか俺は寛人さんの腕の中にいた。 「ごめん憲二…辛い思いさせたよな…でも俺…お前を誰にも渡したくない、離したくないんだ。もしお前が他のヤツを好きになったんなら、今度は俺が追うから」 「うぅ…寛人さん…本当に?」 「あーあ、やってらんね。マスター強いのちょうだい」 「慎さん…ごめん…本当に…」 慎さんの大きな手が俺の頭に乗る。 「いいんだ…お前と過ごした時間は忘れない。おいあんた、また憲二を泣かしたら容赦しねぇぞ」 「世話になったそうだな…心配するな、ベッド以外では泣かせない」 「ちょっと、寛人さんやめて!」
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