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「だー! 何も思い出せん!」
「政宗さまー!」
「政宗さまーー!」
俺は布団から飛び起きて、廊下を頭を抱えて突っ走っていた。
無理だ。
昨日の夜のことが、どうしても思い出せない。
後ろから可愛いお姫様と厳つい顔の重臣と思わしき人たちが追ってくる。みんな時代劇から飛び出してきたかのような服装の人たちだった。
俺も必死だ。だが、向こうも必死だった。
「よお、風ノ助くん。朝から元気だね」
「あ、楠田先生! おはようございます!」
廊下の突き当たりにある。金色の松を模した襖を開けたのは担任の楠田先生だ。
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