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「あ! それと、廊下は走らないように!」
「はい! って、今はそれどころじゃねえー!」
俺は廊下を走りながら気が付いた。
今となっては遥か後ろにいる。ニコニコとこちらに手を振る楠田先生に昨日の夜のことを聞けばいいんじゃないのかな?
「政宗さまー! お待ち下さい!」
「政宗さまー!」
俺は全速力で走りながら混乱する頭を左右に振った。
「これは夢だー! そうだ! たんに時代劇の見過ぎに違いない!」
あ! 俺が夢の世界で伊達政宗だとしたら、片目が天然痘とかで失明していて確実に見えないんだった! 途端に柱に激突。
「大丈夫ですか? 政宗さま!」
倒れた俺の顔を覗くお姫様。
綺麗な顔だが、誰だろう?
あ、多分。伊達政宗の長女の五郎八姫だ。
絵で見た記憶が……。でも、変だ。長女(娘)のわりには俺と同じ歳のように見えて、同じ背格好をしている……?
俺……老けているのかな?
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