オメデト

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中学の始業式後の帰り道、少しだけ遠回りして川沿いの道を歩いた。

隣をふらふら歩く、佐野がスポーツバックを振り回しながら、急に思い出したように言った。

「みやっち、誕生日、何してた?」

「え？えっと、家族で初詣。で、ケーキは食べた」

「おせちの後でケーキ?」

「うん。いつも、そう」

私は元旦に産まれた。

お正月のお祝いの合間に、私の誕生日が混ぜ込まれて、おせちの後のケーキ。
お年玉のついでに、プレゼント。
最近は、プレゼントも、もう現金手渡しで、この札はお年玉なのか誕生日プレゼントなのか、区別すらない。

元旦が誕生日では、友達とバースデーパーティーもしたことがない。

冬休み前に、この愚痴を冗談に混ぜて話したら、佐野は、私の誕生日が元旦で覚えやすくって良いと笑っていた。