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「あ、そーだ。みやっち、30過ぎて、結婚してなかったら、連絡してよ」
「え?なんで? 憐れみ、イヤですけど」
「俺も独身だったら、良いじゃん。憐れみ防止の共同戦線しよう」
自分のカフェラテを飲み切って、佐野がふざけて笑っていた。
共同戦線。
「共同戦線って、どんな作戦」
微温くなったミルクティーを啜る。
「さくっと結婚」
飲み物を吐き出しそうになって、口元をおさえた。
「なにそれ。いい加減ぽい」
「いい加減だよ。適当。あるじゃん、いくつ迄にお互い独身だったらっていうの」
こっちも見ずに、カフェラテの缶をリサイクルのゴミ箱に落とす。
「付き合ってる奴がやんの、キモいけど、俺ら、そう言うんじゃないし、良くない?」
付き合って無い。
そう言うんじゃない。
それでも、私は佐野の特別な領域にいるらしい。
「……うん。佐野、まともな職についてそうだし、良いか」
「ははは。だろ?」
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