23

8/9
前へ
/211ページ
次へ
「そんなの全部俺の台詞だ。ほいほいいろんな子と付き合いやがって。」 「……っ、先に彼女作ったのはコウじゃん。」 「それは……ごめん。」 「ばか。ばか。俺は、俺はずっと好きだもん。コウだけ、ずっと好きだった。」 うぅ、、っとイツキはまた苦しそうに涙を流す。 「俺が悪い。イツキとは一生一緒にいるんだろうって思ってて……お前に彼女ができて初めて、それが当たり前じゃないって気づいたんだ。お前の言う通りばかだから、俺。これがそういう好きって気づくのが遅かった。」 「……好き?」 「うん。」 「……コウ、俺のこと好きなの?」 「うん。」 「本当?」 「うん。好き。すげー好き。」 ぅわぁぁぁん、と、声を上げてなくイツキの顔は、小さな子供の頃と何も変わらなくて。 「ぷっ、きったねぇ顔。イツキそんな泣き虫だったっけ。」 いつだって、先に泣くのは俺だったのに。 「コウのせいじゃん。バカ」 「そうだな。俺のせい。ぜんぶ俺のせい。だから涙も、鼻水も、ぜーんぶ俺のな。」 「……変態。」 「変態でいい。ばかでいい。ずっと好き。一生好き。」 「俺も好き。大好き。」
/211ページ

最初のコメントを投稿しよう!

244人が本棚に入れています
本棚に追加