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本物のKさんは、偽者のKさんがいた場所からすぐ側の別の場所にいた。
激しい音楽に掻き消されないよう、いつもより声を張って事情を話した。ただ笑っていた。
もう、どちらが偽者か分からなくなった。笑いたいのは私の方だ。何方にせよ、今日はもうどうでも良かった。
Kさんは私を何人かの知り合いに紹介し、何処かへ消えて行った。どのくらい時間が経ったかは分からない。結構な量のアルコールが身体中に行き渡ったせいで、哀しみと怒りが抑えきれなくなった。私は一人で静かにその場を出た。
この空間に全ての記憶を置いて、出来るだけ遠くへ行きたい。とにかく走った。
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