第一章 共通思考。あるいはテレパス

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「昨晩はどこに行っていた?」 「ど……どこって……」 「またケンカか」 「違うっ! ケンカなんかじゃねぇ!」 「じゃあ……どこに行ってたんだ」  海がゆっくりと近付いていく。 口調は穏やかだったが、明らかに怒りがにじんでいる声色だった。 陸は顔をひきつらせて、近付いてくる海からずりずりと後退った。 「お前、今日で遅刻何回目か知ってるか」 「へっ……? 数かぞえてんの?」 「当たり前だ。――今日で四十回目になるんだぞ」 「よんじゅっ!? すくねーじゃんか!」 「学校の隣に住んでいて四十回はないだろ……。いいか、四十回目には罰が科せられる」 「はぁ?」
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