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江藤はむせ返っている海を引きずるようにして奥の部屋へ連れて行くと、応接用のソファに投げ出し仰向けに寝かせた。
海は呼吸を荒くしたまま、生理的な涙がにじむ目で恨めし気に江藤を睨みあげた。
無理矢理飲まされた量は結構なものだった。
全身の血が逆流したように心臓が早鐘を打っている。
身体の中が熱く火照りだし、何かが蠢いているような掻痒感を感じた。
「なんだが、すごくヤラしいね……。苦しいのかい?」
朦朧として苦しげな呼吸を繰り返している海を見下ろし、江藤が歪んだ笑顔を浮かべてささやいた。
「今、ラクにしてあげるよ……」
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