第一章 共通思考。あるいはテレパス

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 息が出来なくなるほどの、強い力だった。 「ヤられちまったのかよ……海……」 「……バカ……言うな……」  海は喘ぐように笑った。 「すんででおまえが飛び込んで来たんだよ……」 陸は抱きしめる力を弱めて、海の顔をのぞきこんだ。 「ほんと……か?」 「ほんとだよ……」 「……よかった……」  陸は心から安心したようにつぶやいた。 「よかった……何もなくて……」  今にも泣きそうなその声に、何故か海の方が胸苦しくなってしまった。 もう大丈夫だ……とその頭を優しく撫でてやる。 「やっぱりな……」  そこへ二人の背後から、か細い声が聞こえてきた。
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