魔石

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翌朝、食堂に美紀と彩香が待っていた 美紀は帽子を被り、Tシャツにパンツ、トートバックを持っていた 彩香は縁の広い帽子を被り丈の長い ワンピースにトートバッグを肩に掛けていた 「ウッス待たせてごめん待った?」 「私達も今来た所よ」 「二人共イケてんじゃん」 「めっちゃカッコええなぁ イヤリングもよう似合てるわ」 「ありがとう お世辞でも嬉しいわ お腹空いたんだけど」 「俺らも腹ペコだ」 「飯、飯、腹減って死にそうや」 「早く食べて出掛けようぜ」 朝食を済ませると美紀達とリュックをボートに 積んでいた そこに米子婆さんがスマホを持って飛んで来た 「皆さんの写真を撮るのを忘れとった 此処に来たお客さんが 釣りに行く前に いつも写真を撮らせてもろうて 壁に貼らして 貰うんですがね」 「へぇ〜みんなカッコ良く撮って貰おうぜ」 「彩香 髪乱れてない?」 「大丈夫よ綺麗よ」 「1+1=?」 「2〜」 「古っ」 「いい写真が撮れたですよホレ」 米子婆さんはみんなに写真を見せた 「いいじゃん、米子婆ちゃんいいセンスしてるな みんないい顔してるぜ ボート迄 ガッツリ撮れてんじゃん」 「本当だ 綺麗に撮れてる ありがとう 米子お婆ちゃん帰ったらスマホに送ってね」 「はいはい、気つけて行くだでぇ にぎり飯を作ったで持ってお行き 行ってらっしゃい」 「ありがとう米子お婆ちゃん行って来ま〜す」 米子婆さんは手を振り見送った 屋根の無い 極、普通のボートにみんな乗り込んだ 「眠てぇ〜早起き過ぎるわ~」 「俺もフワ~」 「蓮 運転任せた」 蓮はあくびが止まった 「ハァ?なんでそうなるだよ? 潤がボートは任せろって言ったじゃんよ」 「自信喪失エンジン掛からねぇ」 「嘘!マジで?」 蓮がエンジンを掛けると勢いよくかかった 「かかるじゃんかよ!ったく潤は機械音痴で 参るぜ! 良くそれで船舶免許取れたな」 「研修の時のボートと違うんだなぁ これが」 「みんなで一緒に船舶免許取りに行ったけど 対して変わらんやん 潤は頭ええのに機械音痴て 、どやねん」 「グダグダ言うな 早く行こうぜ 蓮ヨロ〜」 「ちっ!勝手もんが!」 みんなは無人島を目指し 一路ボートを走らせた 近くでは釣り客が釣りを楽しみ 漁師達が遠くで、慌ただしく働いている 「わぁ〜風が気持ちいい 彩香 来て良かったでしょ?」 「うん本当に海はいいわね 来て良かったわ あれはカモメかしら?あの島綺麗ね」 「本当だ綺麗ね カモメの生息地かな? 彩香こっちに来て一緒に撮ろうよ」 呑気に写真を撮り合ってボートで楽しんでいる 潤達は脇目も振らず無人島を目指す 釣り客の船が 小さくなっていく 幾つも小島が有り 竜也はパソコンの写真と 見比べながら探していた 段々と無人島が見えてきた 周りには何も見えくなり ポツンと小さな島が 姿を現した 「アレや!あの島やでぇ」 蓮はボートをゆっくりと進める 浜辺は10m位の小さな浜辺で砂浜が奥迄続き こんもりした森が 島を包み込んでいる 島の周りをゆっくりと、ひと回りした 「小っせえ島だな 歩いても1時間もかからねぇな」 入れそうな道は無く 海はかなり深そうだ 見上げる程高いゴツゴツした岩肌で 浅瀬すら無い 結局 元の浜辺に戻り、潤は双眼鏡で島を見た 大小の岩や石がゴロゴロあり 砂浜に石が積んである これが噂の賽の河原だ 黒い石が浜辺に入る事を拒んでいるかの様な おびただしい数のざらついた様な黒い石だ 「蓮 停めてくれ」 蓮はエンジンを切った 各自で双眼鏡を覗くと 奥の方は木が生い茂り 暗くて見え無い 「マジ奥の方迄 石が積まれてるじゃん」 「誰が積むんやろ?」 「案外誰か住んでるんじゃね?」 「タッタラ~最新兵器登場!」 「竜也ドローンじゃん!スゲェ」 「スマホ付けて飛ばそうと思てテープと針金も 持って来たんや ちょっとは見えるやろ? パソコンに繋げて見ようや」 竜也はスマホが落ちない様にテープと針金で 固定しドローンをゆっくり飛ばした ドローンは先ず 島の上から全体を廻る 「どうや?パソコンで見えてるか?」 「竜也すご〜い!見えてるよ」 「木が邪魔で中が見えねぇな」 「中に入るでぇ」 「石が沢山積んであるわ 正に賽の河原ね なんかキモ〜イ」 「本当に怖そうな所ね」 島の奥にゆっくり入って行く ドローンは見えなくなると、操作が出来ない 頃合いを見てドローンをボートの方に向けた その時、突然ドローンが ポトっと落ちた 「あ!なんでや!動かへん!」 「電池切れじゃねえのか?」 「充電はガッツリ入れてある なんでや! 兄貴のドローン潰したら、殺されるわ! どうしたらええねん!動けぇ〜」 落ちたドローンは、ピクリともしない 僅か8m程の先に見えている ボートを降りれば 取りに行ける距離だ だが誰も入った事の無い無人島だ 竜也は大騒ぎしている 行くべきか 諦めるべきか 5人は悩んだ 悩んだ挙句 取りに行く事にした 直ぐに戻ればいいのだから.... 「一応リュックは持って行こうぜ」 「それな はよ行こ!」 「美紀達は どうするんだよ」 「直ぐに戻るから、二人はボートで待ってる方が いいだろう 危険過ぎる」 「分かったわ 待ってる気を付けてね でも 早く戻って来てよ」 「気をつけてね リモートで話して行けば いいんじゃないかしら?」 「彩香グットアイデアそうしようぜ」 蓮は出来るだけボートを浜辺に近づけた しかし石が多い為、ボートの底がついて進めない やむ無く錨を少し手前に停泊させた 海の深さが ハッキリ分かる位、色が違う 深い所からいきなり 浅瀬になっている ボートから飛ぶと浅瀬に届いた 海水は膝当たりで 潤達は安堵した 「これで歩いて取りに行けるな 足元に気を付けて行こうぜ お前ら積まれた石は 絶対に崩すなよ」 「みんなごめんな えらい事になってしもて」 「気にすんな竜也 お前らしくねぇぜ 俺らも楽しんでたしよ」 とうとう砂浜に足を踏み入れた 「蓮 達大丈夫?」 「あぁ すぐそこにドローンあるぜ」 「本当だ!見えてるよ良かったね」 ドローンの所迄 後わずかだった
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