奇妙な客

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奇妙な客

 たった今、客が来た。  身長は…180ぐらいだ。  こんな所に来たんだから、 よほどのことがあったか 単に迷ってしまったかのどっちかだろうな。  でも、今回はどうやら前者のようだ。  客ははっきりとした足取りでソファーに座った。  顔に見覚えがない。  まあ、仮面のせいで見えないだけかもしれないが。  思えば、やけに凝った仮面だ。  カラスのクチバシのようなその仮面は、 ピカピカに磨き上げられていた。  真っ黒なローブを身にまとっていて、 本当にカラスみたいに見える。  この仮面には見覚えがない。 もしかしたら… この世のものじゃないかもしれない。 「そろそろ…話をさせてもらってもよろしいですかね?」  客の声はやけに高い声で、 しかし、ずっしりとした重みのある声だった。  この客には見覚えがない。
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