花のある庭

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     「リンゴちゃん手際がいいわね~。  流石だわぁ」  うっとりとしたような声で蓮見が言った。  いつも虫と腰痛に悩まされていた彼女にとっては、  この手際の良さはとても羨ましいものだった。  「…これが仕事ですので」  リンゴは淡々とそう告げた。  庭の手入れの仕方はプログラムに組み込まれているし、  分からないこともネットから情報を検索すれば  すぐに出てくる。  後はそれを効率よくやるだけだ。  「いやぁ、かなり綺麗になったわね!  リンゴちゃんのおかげよ、ご苦労様でした」  やり始めて小一時間、花壇に雑草はほとんど残っていない。   蓮見はかなり感激している様子だが、  アンドロイドであるリンゴにとっては造作もない事だった。  褒められることでもない。 これが仕事だ。
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