死体は語る

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死体は語る

 俺はある雑誌のライターだ。  今日は俺が会議で提案した「あなたのお仕事に密着します」の一回目の取材日である。  偉そうに提案などといっても「お仕事密着」なんて企画に独創性の欠片もないことは自分でもさすがに分かっている。しかしまさか我がアイデアの湖か()しくは水瓶辺りが枯れてしまったわけでもあるまいが、自嘲気味に言えば苦肉の策で出した俺のお茶濁し的な企画は、どうにか会議を通ってくれた。    であるからこの企画に既視感、飽和感、パクリ感が滲み出るのは百も承知なのだが、せめてシリーズ五回の一発目は悪目立ちでもいいからどうにか目立たなければと、俺は友人を介してある特異な職業の人に密着を依頼した。
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