#04. ぎゅっとして抱きしめて R

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 そこからの展開は早かった。あっという間に服を脱がされ、全身、たゆまなく愛撫され、求められ、乱れ狂い。真冬の冷えた空気のなか、熱い熱いセックスを味わう。荒西が彼女のなかに入ってきたときに、熱のかたまりが胸の奥に宿ったのを感じた。荒西が花緒里のなかで射精し、到達したときに、言いしれのない孤独と……幸福に満たされた。  ふたり、落ち着くと、からだを寄せ合ってぴったりと抱き合った。「好きだよ良治。……幸せ」  まだ息を弾ませた荒西が、「おれも、……幸せ」  そうして唇を重ねる頃には、もう、花緒里は、キスの仕方もセックスの仕方もしらない恋愛初心者ではない。荒西の愛によって、愛に満ち足りた女へと変身していた。  *
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