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最高の贈り物
雪が
降ってきた
恋人や家族にと想いを寄せ
花束をかかえて
笑顔で帰っていく後ろ姿は
クリスマスプレゼントを手にする
子供達のよう
さしずめ
私はサンタ…なのかな
心地よい疲れを感じながら
4畳半の冷たい部屋に帰ると
一通の手紙が来ていた
一言
『Merry Christmas!』
誰だろうと
封筒を見ようとすると
ピンポーン
『Merry Christmas!』
姉と母が花束をかかえ
立っていた
驚きと嬉しさで涙があふれ
思わず二人に
抱きついてしまう
よしよしと肩を優しく
抱いてくれる母は
ただただ頷き
『サンタになって
花束に想いを寄せて
届けにきたよ』
『お母さんがね
ずっと心配してて
声も出なくなるほどのショックなのに
弱みを見せず頑張ってる姿は
切ないねって言ってたんだ
だから母さんと私から
クリスマスプレゼント』
今まで
作ったことはあっても
もらうことはなかった
大きな花束
『あ…りがと…』
あ…声が…
声がでた…
大きな声で
『お母さん、お姉ちゃん、ありがとう』
最高の贈り物だよ
ありがとう
そして
Merry Christmas!
*おわり*
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