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5.平凛の初日の出
「わかってくれてありがとう」
「いえ…ごめんなさい」
というと、チャラ男は急ぎ足で去って行った。
「平凛。ありがとうな。オレ、人生の中で一番嬉しかったよ」
少し離れた場所に、優菜とももっちがいるのが見えた。
「お兄ちゃーん、姉さーん、こっちこっち!」
合流して全員で参拝し、皆でおみくじを引くと、平凛、優菜、ももっちは「大吉」で、オレだけが「凶」だった…。
夜店を一通り楽しんだ後、一度屋敷に戻って休み、今度は初日の出を見に行くということになってしまった…。
翌朝6時には桂浜近くの花海道という海岸道路に来ていた。
今日は雲一つなく、水平線がキレイに見えている。いい日の出が拝めそうだった。
「平凛、寒くはないか?」
「ダンナ様と一緒なら、心の中まで暖かいです…」
「そうか…」
水平線の一部の明るさがみるみる増してきた。いよいよ初日の出だ。
「私はダンナ様を選んで、本当に良かったと思っています…」
「オレもだよ、平凛。愛しているよ…」
一度出た初日の出が引っ込みそうなほど抱き合った二人は熱かった…。
渚の街のモノクローム外伝「平凛アナザーストーリー」③終
あとがきは次のページです。
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