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2.平凛のクリスマスイヴ
今日はクリスマスイヴだというのに私は風邪で寝込んでしまっていた。昨日はダンナ様が仕事を休んで病院に連れて行ってくれたのだが、受付の人を始め先生までもダンナ様のことを「お父さん」と呼んでいたので、ダンナ様はだいぶショックを受けていたようだ…。
診察を受け、インフルエンザの検査もしたが、幸いただの風邪ということで少し安心した。
昨夜は初めてコネクティングドアからダンナ様が入ってきて、
「平凛、大丈夫か?」
とダンナ様は気遣ってくれた。私は(これはチャンス!)と思って、
「ダンナ様、汗で気持ち悪うございます。体を拭いていただけないでしょうか?」
と甘えることにした。
ダンナ様はお湯を張った洗面器とタオル2本を持ってきてベッド脇に置き、タオルをお湯につけて絞ったあと、もう一本のタオルで目隠しをしてキツく縛った。
「よし、脱いでもいいぞ」
(ダンナ様は見てはくれないんだ…)と少し残念に思ったものの
「では寝ていますのでお願い致します」
と私は言ってわざと仰向けに寝た。
(ダンナ様はおそらく背中を拭こうと両手を私の体に乗せるに違いないわ…うふふ)と思っていた。ダンナ様は果たして私の思い通りに両手を胸とへその辺りに乗せて来た。「ぷるん」とはじける堅さの胸だ。ダンナ様は、
「おわ!…これは前じゃないのか?平凛」
「ダンナ様が私をみてくれないので仕方なく…。どうして妻となる私を見てくれないのですか?私は醜いのでしょうか?」
「そ…そんなわけない!わかった!わかったから、怒らないでくれ!」
と言いながら、ダンナ様は目隠しを外した。
その後ダンナ様はとても優しく、丁寧に私の身体全体を拭いてくれた。
拭き終わって私が新しい下着を付けているとき、ダンナ様は後ろを向いたままで、
「オ…オレだってな、平凛。男なんだよ。愛する平凛の裸を前にして、我慢するのは限界があるんだよ…」
と言い終わると同時に振り返り私を抱きしめ、私はそのままベッドに押し倒された。私は力を抜いてダンナ様に身をゆだねた。
今日は…荒々しくキスをされ、息が苦しくなるほど舌を絡めてきた…。(私は今日、女になります…)と私は誰にともなく伝えた。
そう思った時、急にダンナ様は身体を離し、私に毛布をかぶせ、その上から抱きしめてきた。
「く…苦しいです、ダ…ダンナ様…」
そう訴えたが、聞き届けられず、しばらくそのままだった…。ダンナ様の中で、相当な葛藤があるんだな、と私は思い、
「ダンナ様、添い寝をして下さいませ」
そう言うとダンナ様は力を抜いてくれ、毛布の中に入ってくれた。
私はダンナ様の肩に軽くキスをし、目を閉じると疲れていたのかそのまま眠ってしまった…。
……
「コンコン…」
翌朝ドアがノックされる音で目覚めた。
「平凛様…?大丈夫ですかー?」
ももっちの声だ。
ドアの所に行こうとしたが、私は下着姿だし、横ではダンナ様が寝ている…。
そうしたらももっちが、
「マスターキーで開けちゃいますね、ハイ、お食事ですよ~」
と言ってガチャリとドアを開け、トレーを持って入って来た…。
「あらあらまあまあ、私はまだ来ては行けなかったんですね…」
「いや、大丈夫だ。オレはちゃんと耐えられたよ」
と、ダンナ様が起きた。
「でも危なかった…。頼むから平凛、誘うのはやめてくれな」
と言うので、私はコクリとうなづいた。
「オレは今日休みだから、もう少し寝させてくれ、平凛」
と言うと、ダンナ様はまたすぐに寝てしまった。
私は食事を摂り、薬を飲むとダンナ様の横で寝てしまい、気づくともうお昼だった。ダンナ様はいつの間にかいなくなっている…。
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