3.平凛の大晦日

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 ももっちは、 「この際なので、私はちゃんとしたことをお教えすることにしますね」 と言ってちゃんとしたことを教えることにした。実家のメイド達はおそらく、平凛の好きにさせて、誰もキチンと教えなかったんだろう…。 (このままでは平凛様が不幸になってしまう…)とももっちは考え、家事全般のことをちゃんと教えてあげようと決心した。  私はももっちのすることを一つの動作も見逃すまいと見つめていた。そして5分もかからず全員分のお茶を用意し、 「平凛様、できましたので皆さんを呼んであげて下さいな」 「わかりました。ダンナ様にそう伝えてきます」 …… 「あの…ダンナ様」 「おわ!びっくりしたぁ…。平凛か…。気配を消すのはやめてくれよな」 「そんなことしませんよ…。あの…お茶が入りましたので、皆さんも休憩なさって下さい」 「おう、ありがとな。みんなー!休憩しようか!」  ダイニングにはももっちがお茶菓子も用意してくれていた。 昼食後から働いていたらしく、皆は結構疲れた顔をしている。 私は一人ずつお茶とお茶菓子を配り、 「お疲れ様です」 と言って労った。
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