究極のクリボッチ

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ジングルベル、ジングルベル 星の煌めく夜空から、粉雪が舞い落ちる。 鈴のなりそうな景色だ。 そっと窓を閉じる。部屋の中ではパチパチと音を立てて暖炉が温かく室内を照らす。 一人、デスクに向かうと配信機材を起動した。 「メリー!クリスマス!」 蔵の奥から取り出してきた、数十年もののスパークリングワインを開ける。 勢いよくあふれ出した泡に大慌てしながら、ワインを注ぐ。 「プハァ~」 いい年した大人の女性とは思えないような声を出しながら、マイクに語り掛ける。 「やっほー、今年もクリぼっちのボッチ系Vtuberノザノザだよ~。みんなはどうかな?ボッチかな?ボッチの人は私と一緒に飲もうね~」 若干雑な、アニメっぽく高くした作り声で電波の向こうのみんなに挨拶する。
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