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二つ目の箱を取り出す。
「二つ目は、私の好きなブランドの紅茶です!」
茶葉の入った缶を開けると、ふんわりといい香りが広がる。
「では早速飲んでみます!」
そう言うと視聴者の皆さんをほっておいてお湯を沸かし始める。
飲料水を薬缶に入れて、暖炉の炎にかける。
その横で急須に入れるためのティーポットにもお湯を入れて温める。
暖炉の弱弱しい炎が、薬缶のお湯を温めるまでの間、ポケーっと炎を見て過ごす。
ようやく沸き始めたところで、マグカップを用意していなかったことに気が付き、戸棚の中に頭を突っ込む。
奥のほうから出てきた埃を被ったそれを、乾拭きしてどうにか使えるようにする。
お茶の葉を入れた急須にお湯を入れる。蓋をして蒸らし少し経ってからゆっくりと注いでいく。
「では、実食!」
思い出したようにマイクの前に戻り、紅茶に口をつける。
「う~ん」
微妙だ。茶葉が死んでいる。たぶん賞味期限をだいぶ過ぎているのだろう。渋みだけが口に広がり鼻腔を通り抜ける。
「まあ、こういうのは雰囲気が大事だし。次!」
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