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どん、とまがり角でだれかにぶつかりました。
「いたい! なにするんだよ!」
しりもちをついた大ちゃんは、思わずそう言いました。
「おお、びっくりした」
大ちゃんとぶつかったその人は、白くて長いひげを生やしたおじいさんでした。つえをついたそのおじいさんも、大ちゃんと同じようにしりもちをついています。
「すまんなあ、よく見えてなかったんじゃ。ケガはないかね?」
おじいさんはそう言ってやさしくわらいました。大ちゃんはこくんとうなずきます。なにするんだよ、なんて言ったことを少し後悔しました。
「そうか、それはよかった……いたたた」
立ち上がろうとしたおじいさんが、こしをおさえてまたすわりこみます。
「だいじょうぶ?」
大ちゃんはあわててかけよりました。
「こしをうってしまったようじゃ。すまんが、わしの店までかたをかしてくれんかのう?」
おじいさんにそう言われ、大ちゃんはまた首をたてにふりました。
大ちゃんは、おじいさんのかたをかつぐようにして歩き出しました。
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