14人が本棚に入れています
本棚に追加
「見ててごらん」
そう言うと、近くにあったスノードームを手にとり、そっとひっくりかえしてさかさまにしました。そしてすぐに元にもどします。
「わあ……」
ガラスの中の小さな町に、雪がふりはじめました。
「スノードームを見るのは、はじめてかい?」
きらきらした目で雪のふる町を見つめる大ちゃんに、おじいさんは聞きました。
「うん、はじめて。そっか、だから『雪の店』なんだね」
おじいさんはうんうんとうなずきました。
「そうじゃ、お前さんにいいものを見せてあげよう。お店までかたをかしてくれた、おれいじゃ」
「えっ、なあに?」
わくわくした目でおじいさんを見つめる大ちゃん。
「今からわしが、ちょっとしたまほうをつかってあげよう」
「まほう!? 本当に!?」
おじいさんはぱちりと大ちゃんにウインクしました。
「うむ。まずはお前さんのすきなスノードームを3つ、えらぶのじゃ」
最初のコメントを投稿しよう!