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子グマのキャロット
大きな森には、おおくのどうぶつたちがなかよくくらしています。
ふゆになって、森の中はたくさんつもったゆきがいちめんにひろがっています。そんなとき、クマの女の子・キャロットはいそぎ足でじぶんのいえへかえろうとしています。
キャロットは、おかあさんにたのまれておつかいに行っていました。かいものかごの中には、ニンジンとぎゅうにゅうが入っています。
「どんなクリスマスケーキをつくろうかな?」
きょうはクリスマスイブとあって、キャロットはクリスマスにたべるケーキをみんなでつくろうとはりきっています。
「おとうさん! おかあさん! ただいま!」
「キャロット、おかえりなさい」
えんとつのあるいえへかえると、へやの中にはクリスマスツリーがかざられています。キャロットは、手をあらってからすぐにキッチンへ入りました。そのキッチンでは、おとうさんとおかあさんがケーキをつくるじゅんびをしているところです。
「それじゃあ、みんなでつくるとするかな」
「おとうさん、ニンジンとぎゅうにゅうをかってきたよ!」
「キャロット、いつもありがとうね」
ニンジンは、キャロットがいちばん大すきなやさいです。すりおろしたニンジンは、これからつくるクリスマスケーキのきじにつかいます。
「あたしもやりたい! やりたい!」
「それじゃあ、ケーキにぬるクリームをまぜるのを手つだってもらおうかな」
キャロットは、おかあさんと2人でクリームをつくっています。生クリームとぎゅうにゅうが入ったやさしいあじです。
おとうさんは、オーブンにケーキのきじを入れてやいているところです。そのあいだに、キャロットはケーキにのせるためのれいぞうこからいちごをとり出しています。
しばらくすると、おいしそうなケーキがやき上がりました。おかあさんは、そのケーキにクリームをまんべんなくぬっています。
「いちごは?」
「ケーキの上においてみようかな」
キャロットは、クリームをぬったケーキの上にいちごをおいています。クリスマスケーキにのっかっているいちごは、ゆきのような白いクリームにぴったりのフルーツです、
「おかあさん、早くたべたい!」
「ローストビーフとクリームシチューができたら、みんなでたべるからまっててね」
テーブルの上には、できあがったばかりのクリームシチューとローストビーフがおかれています。でも、キャロットがたのしみにしているのはクリスマスケーキです。
おとうさんは、テーブルのまん中にあるケーキをおさらの上に1つずつわけています。そのようすを、キャロットはじっと見つめています。
「いただきます!」
キャロットはたべるまえのあいさつをすると、ケーキの上にのっているいちごをフォークでとろうとしています。
「ふふふ、いちごはおいしいかな?」
「うん! おいしい!」
こうして、キャロットはクリスマスのりょうりをたのしそうにたべています。そのりょうりには、キャロットをやさしく見つめるお父さんとおかあさんのおもいがこめられています。
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