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「ただいま、愛生兄。
ご飯作りたいから体重かけるのやめて。」
フフっと笑いながら、二番目の兄・愛生(あき)は僕の肩に乗せていた頭を持ち上げた。
それでも離れはしないようで、僕もいつものことだと気にせず料理を作り続けた。
「今日のご飯は何かなぁ〜」
鼻歌を歌いながら後ろから抱き締めている兄の機嫌が良い雰囲気に少し安心感を覚えながら作業を進めていく。
「愛生兄、トマト缶取って」
はいはぁーい。そんな返事と共に一瞬離れたタイミングを見計らってコンロへと移動する
このくっつき魔への対応も慣れた自分に感心を覚えつつ、もうすぐ風呂へ向かった長男が上がってくるだろうと急ピッチで残りの工程を仕上げていった。
ーーーーカタッ
「えぇ〜それではいっただっきまぁ〜す!」
「頂きます。」
「おぉーうまそぉ〜!いただきまーす」
「はい、どうぞ。」
愛生兄の呼びかけを合図に四人とも席につき食べ始める。
「そういえば今日の娘、ナァ兄と玄関で会ってから顔青くしちゃって結局帰っちゃったんだよねぇ
知り合いだったん?」
「うちのクラスの委員長」
そう言うと弟は、だからかぁ〜と呟くとまた気にせず食べ始める
「明日はバイト遅くまでだから、冷蔵庫にあるもので食べて」
伝え終えると三者三様の返事が返ってくる。
次男が話す内容に相槌を打ちながら明日のバイトについて思考を回した
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