兄弟

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兄弟

ただいま、、 その言葉に返事をしてくれる人は誰もいない だけど、この家は人の気配が途切れず 複数の甲高い喘ぎ声だけが廊下に響く はぁ、また誰か連れ込んでるのか、、、。 いつものことだと考えるのをやめ、二階にある自分の部屋へ行こうと階段へ足を向ける 「え、、、。」 はぁ、今日は運が悪い 階段を上っている途中で、玄関から一番手前の脱衣所の扉が開き若い女性が声を漏らした。 「高槻くん。 き、今日学校終わったらすぐに帰ったからバイトなのかと思ってた。」 普段大人しく皆んなからも頼られる僕のクラスの学級委員長が僕の家の風呂場からバスタオルを一枚体に巻いた姿でそう話しかけてくる。 「なんで僕が自分の家に帰るのに君に一々言う必要があるの?」 「え、いや、そういう意味じゃ、、」 またお互い沈黙になり、もういいかと階段を再び上がろうとした瞬間彼女と同じところから再び声をかけられる。 「あれ?ナァ兄もう帰ってきたの? 早かったじゃん。バイトは?」 今日はついてない。 このタイミングで弟にも会うなんて 「今日は休み。 学校終わってから本屋にいたの」 短く端的に告げる そう、僕は買った本が読みたくて態々早めに帰ってきてるんだ。 早くこの会話を終わらせてくれ 「ふーん、そっか。 あ!これからふぅ兄たちともう1ラウンドヤるんだけどナァ兄もくる?」 わざとなのか馬鹿なのか。 いや、こいつの場合後者だろうな 只々思ったことをそのまま口にする。 馬鹿で空気も読めないアホだけど、運動と要領だけはいい小さい頃は可愛かった弟 「行くわけないでしょ それと、声玄関外まで漏れてたよ。 気をつけて」 それだけ言うと話しかけられて止まっていた階段を登り始める
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