第一章 霊媒師こぼれ話_岡村英海

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時刻はさらに2時間経過。 草木も眠る丑三つ時だ。 ね、眠い……さすがに眠くなってきた。 だがしかし、これでぜんぶ登録完了。 あとはミスがないか確認をしたいのだけど……はぁ、頭がボーッとして確認作業に自信が持てない。 どうしよ、出来れば誰かと読み上げながら確認したいなぁ。 今から社長を起こしに行くか! って……さすがにそりゃダメだろ。 「ふはぁぁぁぁぁぁぁ」 とりあえず少し休憩。 奥様から差し入れられた、大きな水筒のお茶をいただく。 保温機能がついているから熱々でおいしいや。 ちょっと小腹も減ってきて、残っているオニギリも食べたいけれど、ココで食べたら寝落ち確定、涙をのんでガマンした。 しかし眠い。 なもんで、誰もいないコトを良いことに、僕はストレッチを始めた。 ずっと座って同じ作業の繰り返しだもの、肩も腰もバリバリ痛む。 身体を捻って前屈と後屈を繰り返し、首をグルグル回してみれば、ちょっぴり眠気が薄くなった気がする。 つったって、すぐに眠くなるんだろうけど。 さぁ、もう少し頑張ろう。 で、本気の限界が来たらアラームかけて少し眠って、起きたら続きをすればいい。 幸い、僕は今日お休みだ。 時間はどうにでもなる…………なんて、明け方までの計画を(計画とも言えないが)練っていた時だった。 ふと背後に、誰かの気配を感じたんだ。 もしかして……瀧澤社長? 時間が時間でビクビクしながら振り返る……と、すぐ目の前に人影が……! その人影とドンッとぶつかり、 「「きゃーーーーーーーーー!」」 僕と誰かの2つの悲鳴が重なった。 この時、ビビリな僕は両手を上げてのけ反ったのだが、もう一人の悲鳴の主は僕よりもっと驚いちゃって、ヨロッとフラフラ、尻もちをついてしまった。 「だ、大丈夫ですか!? ごめんなさい! 僕が驚かせちゃったから、」 僕はマッハで膝を着き目線を合わせてあやまった、……のだが、尻もちついたその人は、それには答えず口をぱかーっと開いたまんま、「え? え?」と繰り返すばかりだった。 様子が変だ……ど、どうしたんだろう? オシリが痛くてたまらないって感じじゃあない、僕に怒ってる感じでもない。 ただ……なにかにすごく驚いてる、そんな印象だ。
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