第五章 霊媒師こぼれ話_大倉弥生28才の飲んだくれライフ

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『____と、言う訳なの。どう? これで分かったかな? 我々が本物の神である事と、涙無しでは語れないサトクンとの運命の出会いがっ! …………(チラッチラッ)』 ババーーーン!! 3霊改め3神トリオは拳を握って涙ダーダー、思い出し泣きしてるんだ。 でも……さっきから、チラッチラッとアタシを視てる。 コレ絶対、”えぇぇぇ!? じゃあ、本当に神様だったんですねっ!”、待ちだ。 や、まぁ、今の話でもしかしたらマジで神様? とは思うけど、でもなぁ……威厳はないし、近所の気のいいオッサンみたいな感じだし、なんせずっとこんなノリだし、ありがたやー! とスグにはなれない。 「ふーん。話は大体分かったよ。オッサン達、氏神様だったんだな。しかもけっこうキャリアがあるじゃん。少なくとも200年前から神様だったってコトだろ?」 自分のグラスに鬼殺しをダバダバ注いで、それをグイグイ飲みながら言ってみた。 すると…… 『えぇ!? チョット! 反応それだけ!? 薄っすー!!』 『他に言う事あるでショ! ”本当に神様だったの!?” とかさぁ!!』 『拝んでもええんやでぇ?』 これな、このノリな。 親戚のオッサンかっての。 「あーうん。やっぱし佐藤君ってイイヤツだなってのは思った。あとはね、神様も大変なんだなーってのと、祠直してもらって良かったじゃん、しかもタダで! ってのも思った」 なんかしら言ってほしそうだったから、素直な感想述べてみたん。 そしたら3神、 『『『 語彙力ぅ!! 』』』 ぴったりハモッて失礼発言。 なんだよ、語彙力がどうしたよ、3つも感想言ったじゃんか! 『ま、まぁ、思ってた反応とはチガウけど……きっとアレだ。弥生ちゃんビックリしちゃたんだよ。だから反応薄いんだよ』 額を汗でピカピカさせつつ、神その1がそう言った。 続けてその2その3も、 『あ! そういうコトかぁ! さすがにねぇ、ハイテクの今の時代に神様ですっていきなり言われて戸惑ったんだ! なりへそなりへそ』 『そういうコトォ。弥生ちゃん、びっくりさせちゃってゴメンネ。神様なんて信じられないかもだけど、でもね、我々……ホンモノですからぁ(なぜかウィンク囁き声)』 3神達はニラニラ笑って嬉しそう……なんだけど、なんか誤解してないか? 「あのさぁ、こんなコト言うのもなんだけど、アタシ別にびっくりしてないよ」 『『『 え? 』』』 「いやさ、ポロシャツのオッサン達が(・・・・・・・・・・・・)神様だってのには驚いたけど、神様自体がホントにいるのは知ってるもん。だから戸惑わないし、驚かない」 『『『 えぇ!? そうなの!? 』』』 「うん、そだよ。神様って元々はアタシと同じ ”人” だろう? あ、動物の神様は一旦横に置いとくけど。んでさ、たしか神様になるには試験があって、それに受からないと神様にはなれないんだよね? たくさんいる神候補の中から神様になれるのはほんの一握りだって聞いたけど、合ってる?」 『『『 合ってる! 弥生ちゃん、なんで知ってるの!?』』』 あはは、アタシより3神トリオが驚いちゃってる。 なんで知ってるの? どうして知ってるの? って大騒ぎだよ。 「なんで知ってるかって? んーなんて説明したら良いのかな……昔アタシが10代の頃、その辺彷徨う悪霊達に嫌がらせをされててさ。そん時に、神ではないけど神候補達に助けられたんだ」
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