第五章 霊媒師こぼれ話_大倉弥生28才の飲んだくれライフ

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『『『 神……候補達? 』』』 「そう。オッサンらも神試験受けたって言ってたよな? アタシを助けてくれたのは、その試験に落ちた連中さ。人数は覚えてないけどスゴイいっぱいいた。んで、最終的にはアタシの中で1霊の女の子に生まれ変わって、今はアタシの守護になってる。その子がめちゃくちゃ可愛いんだ!」 ダイジョブかな? 意味通じるかな? アタシってば説明すんのが苦手なんだよね。 なるべく簡潔に言ったつもりだけど……どうかな? 『え? え? え? 神候補達が女の子になったの? しかも守護なの?』 『でもさ、神試験に落ちた霊達は人として黄泉の国に逝くんじゃないの? 逝かないで現世に残ったの?』 『その女の子は弥生ちゃんの中にいるってドユコト!? 外に出る事も出来るの?』 あちゃー、やっぱし上手く伝わらなかった。 3神トリオは質問攻めでアタシは説明出来なくて、答えた分だけこんがらがって取っ散らかるんだ。 「あーもー! これ以上アタシに聞くなー! 今本人呼ぶから、直接聞いてッ!」 オッサン達にそう言うと、”えぇ!?” とかなんとかどよめいちゃって、だけどアタシはそれを無視して両手を上げた。 そして、小さな声で守護を呼び出すおまじない(って、フツーに ”ココに来て!” と言うだけだけど)。 …… ………… おまじないから数分後。 部屋の中にチョコンと立つのはアタシの守護の…… 「この子の名前はヤヨちゃん。元神候補達が融合して生まれ変わったアタシの守護の子。な? 可愛いだろう?(デレデレ) ヤヨちゃん、今夜はウチにお客さんが来てるんだ。このオッサン達は神様なんだって。ご挨拶出来る?」 年の頃は5才くらい。 長い黒髪、黒いワンピ、顔はアタシの幼い頃にそっくりな、守護というより娘みたいな可愛いヤヨちゃん。 持ってる霊力(ちから)は強いけど、恥ずかしがりやの女の子だ。 ヤヨちゃんはモジモジしながら半歩前に、3神トリオを順に視てからご挨拶をしたんだよ。 【コンばんわ はじメましテ ヤヨイはヤヨイだよ】 『『『……わぁ……!』』』 ヤヨちゃんの可愛い可愛いご挨拶に、トリオは口を開けっぱで上を向いて文字を追う。 そう……ご挨拶は声じゃない。 ヤヨちゃんは声が出せない、だから代わりに天から文字を降らせてくれるの。 ふわりふわりと落ちてくる、紫色の平仮名カタカナ……そのすべてを読み終えたオッサン達は…… ズキューーーーーーーーン!! ヤヨちゃんの可愛らしさにやられてしまったのだ。 ★途中ですがちょこっとお知らせです★ こんばんは、たまこです。 いつも ”こぼれ話” を読んでくださってありがとうございます✨ 弥生・曼殊沙華編が思った以上に長くなっちゃって、1万字前後で終わらせる予定だったのにすみません💦💦 あと少しだけお付き合いくださいませ💦 本当にすみません💦
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