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ヤヨちゃんの薄い記憶の説明を、3神達は熱心にその文字を追った。
アタシが思い出した事、それをヤヨちゃんも思い出したんだ。
情報は少ないけれど、足りない分は神様達の知識で補い、色々と繋ぎ合わせて察してくれたみたい。
『そう……そういう経緯だったの。弥生ちゃんも大変だったね、……辛かったね、よく頑張ったね。我々は神なのに……なにもしてあげられなくてごめんね』
肩を落としてしんみりと、3神は頭をさげてあやまった。
それを視てアタシはめちゃくちゃ焦ったんだ。
そりゃそうだろ、ふざけてばっかだったのに急に真面目になるんだもん。
「ちょ! なんでオッサン達があやまるんだよ! 知らなかったんだから仕方がないじゃん! 別にあんた達が悪いんじゃないよ! それにアタシは独りじゃなかった。ヤヨちゃんが助けてくれたもの。むしろ良かったよ、あの事があったからヤヨちゃんと出会えた。あれからずっと一緒だし、ヤヨちゃんはアタシの家族になったんだから」
言いながら、アタシに抱き着くヤヨちゃんの頭を撫ぜた。
守護の子は照れてしまって耳まで真っ赤にさせている。
『……そう、そうなの……神候補達は全員で霊力を合わせて弥生ちゃんを救ったんだねぇ。……神試験なんてね、あんなのは運なの。我々だって、受けた年が違ったら落ちていたかもしれないもん。いくら知識があっても、いくら霊力が強くても、頭でっかちでなにも出来ない神もいるんだ。ヤヨちゃんはたまたま試験運がなかっただけで本物の神だよ。人の子を救い、こんなにも良い笑顔にさせているんだから……しかも、”出会えて良かった、家族になれた” なんて言われたら……嬉しくて神のほうこそ救われる。そんな事を心から言ってくれる弥生ちゃんは、ヤヨちゃんにとって永遠の推しなんだろうねぇ』
3神は目を細め、しみじみとそう言った。
アタシがヤヨちゃんの推し? ……えへへ、そうなのかな?
推しかどうかは分からないけど、アタシ達は仲良しで一緒にいればめちゃくちゃ幸せ、ヤヨちゃんが大好きだ。
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