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「あーあ、コイツら弱かったなぁ。とりあえず帰ろっと。動いたらお腹すいちゃったよ。霊力を使うといつもこうだ。一瞬で空腹になるんだよ。これってなにか関係あるのかなぁ」
独り言を呟きながら、家に着いたら冷凍ピザを食べようなんて思ってた。
喧嘩にジャマなバッグを道に放っていたから、それを拾って帰ろうとしたその時。
「コレ、お嬢さんのカバンでしょう?」
おわっ!
人だ! 人がいる!
いつの間に傍にいたのか、目の前にはめっちゃ小柄なオジサン……? オジイチャン……? が、アタシのバッグを両手で抱えて立っていたんだ。
ヤバ……今の、視られちゃったかな。
「あぁ……うん。アタシのバッグだ。ありがとう、拾ってくれたんだね」
無難にお礼を言ってみた。
視られたかな……でも、ダイジョウブだろう。
霊の姿は普通の人には視えないもん。
オジサンから視れば、誰もいない暗がりで、アタシは1人で暴れてたって思うだけ……って、それってチョット恥ずかしいな。
オジサンはニコニコと笑っていた。
アタシにバッグを手渡した後、それで帰るかな……と思っていたのに、帰りもしないでアタシを見てる。
え……この間、なに?
すごく気まずいだけど。
なんだよ……なんか言いたいコトでもあるのか?
なんにも喋らずアタシを見つめて、しかもナニコレ、スッゲェ良い笑顔なんだけど。
もしかして……ヘンなオッサンなのかな。
そうは見えないけど、良い人そうだけど、……いいや、とにかく帰ろう。
「じゃ、じゃあ、アタシはこれで」
と歩き出したアタシの背中に、それまで黙っていたオジサンが声をかけてきたんだ。
「あぁん! 待ってお嬢さん! 私、ぜんぶ視てましたよ! あんなにたくさんの悪霊達をあっという間に滅しちゃうなんて……! もしかして、お嬢さんは霊媒師? それともエクソシスト? どこかですでに働いてたりします?」
ドッキーン!!
視てた……?
さっきの喧嘩を……?
つーか、今なんて言った?
”悪霊達” って言ったよね、と言うコトは……オジサンも視える人?
あとあと、”レイバイシ” とか ”エクソシスト” ってなに!?
どこかで働いてるかって、宝石屋で売り子やってるけど?
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