第七章 霊媒師こぼれ話_レッツハッピーバスタイム

3/20
前へ
/370ページ
次へ
◆ そのアパートは、建物の真ん中に共用階段があるタイプだった。 階段挟んで左右にそれぞれ部屋があり、1階、2階で全4世帯。 キーマンさんちは1階の、向かって左の部屋だった。 「さぁ、遠慮なく上がってくれ! ウェルカーム!」 テンション高くウェルカムされて、初めてのお部屋訪問、「おじゃましまーす」とドキドキしながら入ってみると…… 「わぁ! なにこれーっ!!」 目に飛び込んだのは、所狭しと飾られた可愛い雑貨の数々だった。 まず気になったのが、入ってすぐの靴箱の横。 そこにいたのは色鮮やかな木製のフラミンゴ、ピンクの身体に同じくピンクの細いアンヨで、コチラを向いて立っている。 しかも結構大きくて存在感がハンパない(たぶんだけど1メートルはありそう)。 靴箱の上も賑やかだった。 四角い木枠の壁掛け鏡、下の方にはおしゃれなフックが取り付けられて鍵なんかを引っかけられそう。 キラキラ光るガラス製の青い鳥達、使うにはもったいないよな色とりどりのキャンドル多数、フェイクグリーンはリアルな作りで葉っぱを下に垂らしてる。 すごいな、たくさん物が置いてあるのにゴチャゴチャしてない。 雑誌なんかに載っていそうなセンスある飾り方だ。 さすがは元雑貨店の店長さん、腕が違うよ。 「どうだチェリーボーイ! 俺の雑貨達(カワイ子ちゃんたち)は最高にプリティだろう! だがな、こんなモンじゃあないぜ? ルームにはもっとたくさんあるからな。イエァッ!」 キラッ! 歯を光らせての激笑顔。 キーマンさんは ”カマッ!” と言いつつ部屋に案内してくれた。 玄関から短い廊下の突き当り。 そこに行くまで壁にもたくさん飾りがあって(額に入れられたレースとか、流木?とか)物珍しくて思わずキョロキョロしてたんけど、(らん)さんは、しょっちゅうココに来ているみたいで慣れた様子でニコニコしてた。 そして、間仕切りドアが開けられて、リビングに一歩入ったその瞬間。 「なんだこりゃ! すっごーい!」 うっかり出ちゃったデカイ声、や、だって、マジで、スゴイんだけど! 部屋はまるで雑貨店。 木目を基調にあらゆる雑貨が、ホントにホントにお店みたいに飾ってあって(でもでもテレビやパソコン、テーブルにソファもあるから生活は十分出来る)、ココロがオドル、ウキウキワクワクしてきちゃう!
/370ページ

最初のコメントを投稿しよう!

472人が本棚に入れています
本棚に追加