第七章 霊媒師こぼれ話_レッツハッピーバスタイム

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スゴイな、この人。 ある意味最強なのかもしれない、……なんてコトを思っていると。 視た目はラブリー茶色のクマが、短いおててを胸で組んでこう言った。 『なるほどね。憑りついていたユーレー達は、コイツのヘンテコな喋りに引いちゃったのか。その気持ち、オレにもワカルぞ。だってホントにヘンテコだもんな! クマハハハ!』 ちょ! ルミちゃん、”ヘンテコ” を2回も言うコトないでしょうよ! 確かに個性は強いけど! 喋り方もハリウッド映画の日本語吹き替え版だけど! 僕も最初はビックリしたけど! 毒舌クマに僕がアセアセしていると、それに気づいたキーマンさんが、 「what up(どうした)、チェリーボーイ。……ハッ!(ピコーン!)OKOKアンダスタン! トイレットなら廊下を出てレフト(左側)だ!」 トイレの場所を教えてくれた。 え、や、ちが、そうじゃなくて! そんな僕らのやりとりに、(らん)さんが ”ぷっ!” と吹き出し、それに釣られてキーマンさんと熊と猫、ついでに僕も笑ってしまい、それを合図に楽しい楽しいパーリナイが始まったのだ(やだ、キーマンさんっぽくなっちゃった)。 …… ………… 「エビバーデッ(みんな)! ケプト ユー ウエイティーーーングッ(待たせたな)! パーティーと言ったらピザにパスタにチキンだろう! フローズン(冷凍)しといた作り置きだが、ジャストナウッ! レンジでチーンでベリベリホットだ! それじゃあグラスは持ったか? レッツパーリ! チアーズ(乾杯)!」 「「 カンパーイ! 」」←僕と(らん)さん 『うなー!』←大福 『かんぱーい!』←ルミちゃん 通る声のキーマンさんが乾杯の音頭をとってくれ、人も猫も熊も一緒にグラスを掲げて乾杯をした。 飲み物はキーマンさんと(らん)さんは赤ワイン、僕はウーロン茶、猫と熊は冷ました白湯。 ちなみにだけど熊の白湯は、みどりさんが持たせてくれたハチミツ入りだ。 それにしてもスゴイごちそうだ! 長方形の木目のテーブル、そこには所狭しとお皿が並び、湯気がほわほわ上がってる。 「めちゃくちゃ美味しそう! 僕、ピザをいただいても良いですか?」 言いながら、小皿に一切れ移動をかけて、ハフハフしながら一口食べると……ウッマーイ! ハムにタマネギ、薄切りピーマン、マッシュルームにほうれん草までのっかって、熱々チーズがトロトロだ! 「ボ、ボクはパスタ。キーちゃんのカルボナーラは、ぜ、絶品なんだ!」 (らん)さんも言いながら、フォークを器用にクルクルしながら幸せそうにパクリと食べた。 大福は今夜は特別、味付きチキンに ”うにゃうにゃ” 言って大喜びで、ルミちゃんにいたっては、視たコトはあるけれど(大昔るりさんの食事を視てた)、どれもこれも初めて食べるご馳走に ”美味しい美味しい” と大興奮で舌鼓を打っていた。 キーマンさんは、みんなにサラダを取り分けつつ、 「あり合わせだが喜んでくれてハッピーだ! イエァッ!」 と、歯を見せて笑ったのだ。
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