472人が本棚に入れています
本棚に追加
ソファの上では猫と熊が引っくり返って爆睡中。
それを横目に男3人、トランプしながらおしゃべりに花が咲く。
「きょ、今日は早く終わって良かったよね」←牛柄パジャマの嵐さん
「イェッス! おかげでハピハピパーリーナイトだ!」←紫甚平のキーマンさん
「みどりさんも今夜からよく眠れるだろうねぇ」←ベンガルパジャマの僕
ド深夜のパジャマパーティー。
ゆえにみんな小さな声でのおしゃべりだけど、それでも十分盛り上がる。
トランプは白と黒の千鳥格子のシックな柄で、キーマンさんはこれを見た時一目惚れで即買いをしたという。
ちなみに今は神経衰弱をしてるんだけど……
「あ! ま、また当たっちゃった~! な、なんかボクばっかりカードが集まっちゃってゴメンネ」
並んだカードを捲るたび、嵐さんは同じ数字を引き当てるんだ。
「嵐さんスゴイなぁ。やっぱり若いから記憶力が良いんだろうか。30過ぎると3歩ですぐに忘れちゃうからなぁ」
悲しいコトにこれがけっこうガチなのよ。
なにかをしようと立ち上がり、途中でお姫をナデナデすると、その ”なにか” をすっかり忘れて思い出せない。
考え込んでも全然ダメで、結局手ぶらで戻るんだ。
なんて思っていると、
「オゥイエッ! チェリーボーイ! ベリベリベリベリアンダスタン! ミートゥッ!」
キーマンさんが激しく同意をしてくれた(ナカーマ!)。
「そういえば、キーマンさんちは社長も来た事があるんだよね。前にそんなようなコト言ってた」
カードを捲るもカップルならずで裏返し、ふと、社長のコトを思い出して聞いてみた。
すると、
「ああ、ボスもしょっちゅうココに来る。ジ アザーデイもドミニクとスリーメンズでナーブ ウィークネスをプレイした。あの日はボスがウィナーだったんだが……」
キーマンさんこう言いながら、途中で眉をハの字にさせた。
その後を引き継いだのは嵐さんで、やはり眉をハの字にしながらこう言った。
「しゃ、社長はね、勝負に負けたくないからって、ははは、コ、コッソリ霊視をしてたんだ」
「ナヌッ!? それってズルじゃん! 社長めぇ……大人げないというか、なんというか……」
「ホ、ホントだよね。しかも、やり方がうまくないから、ぜ、ぜんぶのカードを当てちゃって、すぐにみんなにバレちゃったの」
ちょ、マジか。
まったく、あの人はなにをやってんだか。
いい年して子供すぎだわ。
最初のコメントを投稿しよう!