第七章 霊媒師こぼれ話_レッツハッピーバスタイム

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本体(クマ)を干してひと段落。 さすがに眠くなってきて、最初は(らん)さん、次は僕と(セットで大福)次々沈没、夢の中にダイブした(布団はリビングにキーマンさんが敷いてくれたYO!)。 …… ………… ……………… 寝落ちからしばらく経って目が覚めた(2回目)。 覚めた理由は、 コト……カタカタ……シューーーーッ! 聞き慣れない謎の音。 ……ん? なんの音だ……?(これも2回目) 気になるな、向こうの部屋から聞こえてくるよ。 僕はむくりと起き出して、廊下の向こうの気配を探る……が、よく分からん。 だけど音はし続けて、キーマンさん起きてるのかな? とりあえず、(らん)さんに聞いてみようと隣を見たら、スースースヨスヨおねんね中。 あまりに気持ち良さそうで、ワザワザ起こすの悪いかな……って、その前に思い出したよ。 (らん)さんは1度寝たらグッスリ爆睡、しつこく声を掛けたって中々起きない子なのよね。★ いいや、このまま寝かせておこう。 というコトで。 一緒に起きたお姫と連れ立ち、静かにゆっくり廊下を歩いて隣の部屋に行ったんだ。 で、 コンコン、 薄く開いたドアをノックし「おじゃましますよ(小声)」と声かけしながら中に入ると、 シューーーーッ! カタカタ、コト、シューーーーーッ! キーマンさんはアイロン片手になにやら台で作業中。 チビクマはその背中におぶさって、ワクテカ顔で手元を覗き込んでいる(キーマンさんは気づいてない)。 「あの、なにしてるの?」 聞きながら傍に行き、台の上を見てみると……わっ! ナニコレ!  本体(クマ)が解体されてるよ! 腕とか足とか切り離されて、中綿も外に出されてしまってる! ちょ、どうしたの!? オペですか? 緊急オペが始まっちゃった!? びっくりっしちゃって聞いてみれば、キーマンさんもチビクマも、ニィッと笑って言ったんだ。 「なんだチェリーボーイ、”マイガーッ!” とでも言いたそうなフェイスだな。ハッハー! ノンウォーリー(心配ない)、ノンプロだ。俺は今、ボーイのバディをストロングにしているトコだ」 ボーイのバディをストロング? 詳しく聞けば、本体(クマ)の身体は破損がひどく、所々に穴が開いてしまってる。 なので一旦身体をバラして、内側から補強作業をしているらしい。 その方法はバラした部位の中綿取って裏返し、元の色に最も近いフエルト生地を小さくカット。 それに合わせて接着用の専用布地も合わせてカットし、裏返した部位→接着布地→フエルト生地……と重ね合わせてアイロンをあて、熱でくっつけ穴を塞いでいくんだそうだ(これまた根気のいる作業だよ)。 ★前日の現場で車の中で寝ちゃった(らん)を、エイミーと大福がガチに起こしにかかったけれど、中々起きてくれないシーンがこの辺りです(*´ω`) https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=995&preview=1
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