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「すごいよ、キーマンさん! あんなにドロドロだったのに、まるで新品みたいにピカピカだ! 毛皮もフワッフワ! 可愛い! めちゃくちゃ可愛いぃぃ!」
興奮せずにいられない!
だってまさか、ここまでキレイになるなんて思わないよ!
まさに神業、まさに神の手!
キーマンさんはキラッと笑って親指を立て、一つに結わいた髪をほどいてリラックス。
そばにあったスマホを手に取り画面を見ながら、
「オリジナルとおんなじだ」
と息を吐く……って、なに見てるの? と思ったら、それは昨日、嵐さんが車の中で描いていたチビクマのイラストだった。★
そっか、それを見ながら修復作業をしてたのか。
僕は机の上の本体ちゃんと、キーマンさんの背中で固まるチビクマを、交互に何度もみくらべた。
「やっぱりそっくり、パーフェクト……!」←感動で震える僕
『うなな……うなっ!』←同じく感動、お得なニ尾を震わす大福
僕らでさえ、こんなんなるのだ。
当のクマはさぞかし感動してるだろうな、泣いちゃうかもしれないよ。
クマはいまだ、キーマンさんの背中にへばりついていた。
そこから下を覗き込み、ちっさな肩をプルプルプルプル震わせている。
そしてごくごく小さな声で、なにかを喋っているのだが……
『………………ぅぅ……ぅぅ……』
やっぱり泣いてる……?
僕とお姫はさり気に近づき様子を伺う。
視ればクマは、真ん丸おててでボタンの両目を一生懸命ゴシゴシ擦り……
『…………もどった……ほんとうにもどった……これで会える……またるりといっしょに暮らせるんだ……』
かすれた声で喜びを嚙みしめていた。
そうだよね……嬉しいよね。
この10年、ずっと辛かったんだもん。
頑張ったね、よくイチクマで耐えてきたね。
良かったね……本当に良かったね。
「ルミちゃん、本体の中に入ってみたら?」
嬉しすぎて石化しているチビクマに、僕は話しかけてみた。
するとクマは、
『…………うん。入りたい……俺の本体……キレイになった本体…………でもその前に、キーマンにお礼が言いたい。そうでないと入れない……だってキーマン、ぜんぜん寝てない。岡村達が寝た後も、1人でずっと俺の事を直してくれたんだ。嫌な顔もしないでさ、ずっと鼻歌歌ってた……こいつ……ううん、キーマンは良いヤツだな。だからちゃんとお礼が言いたいんだ』
グズグズベソベソ、チビクマは泣きながらそう言った。
ああ……キミはさ、キーマンさんを ”良いヤツ” だって言うけどさ、キミだって良い子だよ。
だけどそうだね、お礼、言いたいよね。
じゃあ、お礼を言おうか。
もちろん直接、顔を視ながら。
僕は隣のお姫に目を向け、
「大福先生、」
一言いえば、お姫はコクッと頷いた。
直後、キーマンさんにオシリを向けて、お得な二尾を差し出した。
「ホワッツ? ビッグラッキー、どうした」
神の手を持つキーマンさんは不思議顔だ。
猫又の妖力で、キーマンさんにもお姫の姿は視えている……が、あくまでそれはお姫だけ。
チビクマの姿を視るなら、キーマンさんもチビクマも、同時に二尾に触れなきゃならない。
『うなぁん、』
姫はキュートに鳴いて、人の子と熊の子に尻尾に触れと言ったのだ。
★嵐は霊を視る事が出来ないキーマンの為に、参考資料にとチビクマのイラストを描いていました(リアルタッチ)。そのあたりのシーンがココです。
ちなみに嵐は元ゲーム会社出身なのでイラストが上手です。
背景、キャラ、モンスター、小物、武器、萌え萌え美少女までなんでも描きます。普段、自宅で使用のお絵描きツールはワ〇ムの液晶タブレット32インチ、使用ソフトはクリ〇タです。(……って、ワコ〇の32インチは自分はほしくてたまらんヤツです。でも高くて買えねぇ……!)
https://estar.jp/novels/24474083/viewer?page=1090&preview=1
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